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日外会誌. 101(10): 741-744, 2000


特集

Day Surgery

10.下肢静脈瘤に対する Day surgery

国立東静病院 心臓血管外科

久保 清景 , 梅本 琢也 , 白橋 幸洋 , 若林 正則 , 今泉 松久 , 古橋 究一 , 鬼頭 義次

I.内容要旨
下肢静脈瘤の治療法は現在,硬化療法単独や手術との組み合わせが選択可能となり,Day surgeryも行われるようになってきた1)が,本邦においては,病院の人的配置や保険制度上の制約が大きく,未だ問題点も多い2).本稿では,現在われわれが行っている下肢静脈瘤に対するDay Surgeryの方法を中心に,特に実施上の注意点を述べる.
麻酔は,原則として1%リドカインによる局所浸潤麻酔で行ない,抜去術の場合はエピエフリン入りを使用し,出血も抑え,麻酔時間の延長を図る.さらに確実な止血を加え術後出血の問題は無くなる.また,硬化療法の術後合併症の瘤内血栓形成は血液排除を確実に行い,注入後の圧迫もより広範囲の血管まで行う.次に,色素沈着の予防は,硬化剤の注入間隔を2~3cmとし総量は同じで1箇所に注入する硬化剤の量を少なくすることによって色素沈着の消失時期を短縮する事ができる3),現在までに386人554肢の下肢静脈瘤に対し,Day surgeryを施行した.術後主な合併症は肝硬変例での再止血術を1例(0.1%),外科的血腫除去術を1例(0.1%),知覚異常を切除および抜去例の3例(0.5%)で認めた.Day surgery施行の際には施設に応じた対象や方法があり,安易な方法による合併症増加や遺残静脈瘤だけは避けるべきである.

キーワード
下肢静脈瘤, Day Surgery, 日帰り手術, 硬化療法, 静脈瘤抜去術

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