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日外会誌. 101(10): 733-740, 2000
特集
Day Surgery
9.肛門疾患に対する Day Surgery
I.内容要旨歴史的に肛門手術はday surgeryで行われていた.しかし,その根治性,合併症発生に問題があり,戦後,英米の形態・機能温存の術式が導入され,わが国において根治性も含めて大いに改良された.これには炎症期が過ぎるまでの2週間ほどの入院を要していた.
最近,厚生省の指導もあってday surgeryに向かいつつある.しかし,肛門部は狭い,疾患が多発する,便の通過・汚染により感染・疼痛・出血の可能性が高いなど,根治術をday surgeryで行うには不向きの面もある.したがって,対象としては,重症のものを除外し単純な形のものを選び,しかも,クリティカルパスに従った厳密な管理がコーディネーターを中心として行われなければならない.
また,術前に全身合併症の綿密な把握・治療をし,十分なコントロールが出来ない症例は除外せねばならない.また,術式の選択に当たっては,その根治性と合併症について,さらに退院後のアフターケアについても十分なインフォームドコンセントを行う.帰宅後の連絡を厳密に行わねばならないのは当然である.
いずれにせよ,day surgeryを行う医療従事者のストレスは大きく,無理をせず,必要に応じてshort stayあるいは通常の入院手術に切り換える柔軟性を持たねばならない.
キーワード
Day surgery, 肛門疾患の day surgery, 肛門疾患の日帰り手術, 痔の day surgery, 痔核の日帰り手術
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