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日外会誌. 101(2): 205-211, 2000
特集
膵癌取扱い規約をめぐって
5.新Stage分類試案
I.内容要旨日本膵臓学会(JPS,1996年)および国際対がん連合(UICC,1997年)の膵癌規約はともにTNM分類によるStage分類を採用しているが,その詳細は異なり,本邦と欧米の成績を比較するうえで障害となっている.そこで膵頭部癌切除自験例67例を両規約に基づいて分類し累積生存率を検討しそれぞれの長所と短所を明らかにし,さらに我々はより信頼性のある国際的にも通用する新Stage分類案をこれまで提案してきたが,これに自験例をあてはめて検討した.その結果,簡便でかつ予後の指標として有用なのはUICCのT分類であるが,Stage分類はJpSがUICCより予後をよく反映していた.N分類はJPSの第1群リンパ節およびUICCの所属リンパ節の範囲はともに広すぎるため,リンパ節郭清を意識しない膵切除時にとれるリンパ節を第1群リンパ節(N1)としてよいものと考えられた.我々はUICCとJPSの両規約の長所を取り入れた新Stage分類案を試案しているが,この新分類案は現行のJPSやUICC規約より予後をよく反映していた.今後はさらに多数例での検討を行って,簡便でわかりやすく,臨床の場で使いやすい,信頼性および国際性のある膵癌規約の確立が望まれる.
キーワード
膵癌, TNM 分類, Stage 分類, 日本膵臓学会膵癌取扱い規約, UICC 規約
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