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日外会誌. 100(11): 705-711, 1999


特集

肺癌治療の最近の進歩

3. 末梢小型肺癌の診断-CT検診を中心に-

大阪府立成人病センター 調査部疫学課

楠 洋子

I.内容要旨
CT検診等により小型陰影が多数発見されている.自施設のらせんCT一次精検の発見肺癌の成績は, CT導入前と比較して,対10万人比が86から102へ,切除率および早期肺癌率がそれぞれ48.6%から67.3%へ,21.1%から35.1%へと有意に向上した.特に女性においては顕著な差がみられ,末梢肺癌の腫瘍径は7mm縮小し,平均19mmであった. CTを一次スクリーニングに導入したpreliminaryな結果は,発見肺癌対10万人比787で,男性のみでは1,039と高い発見率であった.今後はCT検診の有効性を評価できる方法論を早急に確立すべきと思われた.さらに小型肺癌の確定診断法の検討と,CTで発見される肺癌の特徴,およびその代表例を呈示した.またスリガラス陰影を主体とした小型陰影では,確診がつかない場合,良悪に拘わらず平均10カ月以上の観察期間は有用と思われた.

キーワード
らせんCT, CT検診, 小型肺癌, AAH, 肺胞上皮癌


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