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日外会誌. 100(9): 529-533, 1999
特集
形成外科・最近のトピックス
3.ケロイド
I.内容要旨ケロイドの治療は非常に困難なものとされ,いまだにその治療方法は確立されていない.このようなことから著者らは,何とかケロイドの新しい有効な治療方法を開発すべく,病理組織学的検討を行ってきた.
その結果,増殖期のケロイドが正常皮膚に接する部位において肥満細胞の著明な増殖ならびにこれらの肥満細胞が脱顆粒を起こしていることを確認した.またこの部に著名な細胞増殖,血管増殖,血管透過性亢進,血清成分の漏出,酸性粘液多糖体の貯留,幼弱コラーゲンの産生が観察された(これらは局所に液状物質として存在).
これらの所見をもとにして,新井,浅野は脱顆粒抑制剤をケロイド治療に用いることを考案した.さらにケロイドの形態的特徴と増殖部位の液状物質よりケロイド増殖のメカニズムをヘルニア様現象ととらえ,これをくり抜き法の理論に結びつけた.
本論文では,これらわれわれの考案した治療方法を中心に,現在行われているケロイド治療法について言及した.
キーワード
ケロイド, 肥厚性瘢痕, ケロイドくり抜き変法, ヘルニア様現象, 脱顆粒抑制剤
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