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日外会誌. 100(7): 414-418, 1999


特集

救急医療における最近の進歩

2.重症患者におけるサイトカインインバランス
-SlRSとCARS-

杏林大学 医学部救急医学

村田 厚夫 , 菊地 充 , 三島 史朗 , 榊 聖樹 , 後藤 英昭 , 松岡 龍雄 , 田中 秀治 , 行岡 哲男 , 島崎 修次

I.内容要旨
重症集中管理は未だに困難を極める.特に感染症を合併し,敗血症から多臓器機能不全に陥るとその予後は非常に悪い.我々は,敗血症から多臓器機能不全に陥る病態に,各種炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが崩れることにより,本来は生体防御反応であるべき,好中球活性化やそれに続く血管内皮細胞との相互作用が正常に機能しなくなることが中心にあると考えている.従って,治療のターゲットも,この崩れたサイトカインインバランスを,生体防御の方向へ向けることが出来ないか,と言うサイトカインモデュレーションを模索している.
本稿では,これまでの我々の知見をもとに,重症熱傷患者の病態を中心にサイトカインインバランスとSIRS/CARSの関係を概説する.さらにサイトカインモデュレーションとしての臨床応用の可能性を,好中球機能を高めると考えられるG-CSFに焦点を絞り,これまでの敗血症に対する各種モデュレーションが有効な結果を出せなかった原因についてまとめてみた.

キーワード
SIRS, CARS, サイトカインインバランス, 重症管理

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