[書誌情報] [全文PDF] (2531KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 100(3): 249-256, 1999


特集

Barrett食道癌-基礎と臨床-

6.Barrett食道癌の治療
-とくに内視鏡的治療について-

東海大学 医学部外科

幕内 博康

I.内容要旨
Barrett食道癌の大部分は進行癌であり,治療の主体は外科的切除術である.Barrett食道の経過観察中,あるいは内視鏡検査の際に偶然発見されたsevere dysplasiaを中心にポルフィリン誘導体とアルゴンダイレーザーを用いるphotodynamic therapy(PDT)が行われている.また,手術不能進行癌に対してYAGレーザーによる姑息的治療が一部で行われている.
Barrett食道のmalignant potentialが広く認められるに従い,その内視鏡観察,とくに内視鏡的経過観察と盲目的生検が勧められ,いわゆるsevere dysplasiaや早期癌が発見されるようになった.手術侵襲が大きいこともあって,これら早期病巣にPDTが行われるようになったわけである.
最近,Argon plasma coagulation(APC)が開発され,Barrett食道癌やBarrett上皮自体に用いられるようになってきた.
また,本邦ではBarrett食道の粘膜癌に対して内視鏡的粘膜切除術(EMR)が施行され始めた.
Barrett食道癌に対する内視鏡的治療につき,本邦での実情に合わせて述べた。

キーワード
Barrett食道癌, 外科的治療, PDT, EMR, APC

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。