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日外会誌. 97(3): 247-250, 1996


症例報告

高齢者(79歳)心房中隔欠損症および三尖弁閉鎖不全症の1手術治験例

群馬大学 医学部第2外科

村上 淳 , 石川 進 , 大滝 章男 , 佐藤 泰史 , 長谷川 豊 , 小谷野 哲也 , 高橋 徹 , 森下 靖雄

I.内容要旨
79歳の心房中隔欠損症(ASD)および三尖弁閉鎖不全症(TR)の1手術例を経験した.77歳時に労作時呼吸困難が出現し,TRを伴ったASDと診断された.術前検査で心房細動,中等度の肺高血圧と肺機能の低下を認め,ASDの直接閉鎖術および三尖弁輪形成術を施行した.術後,計26日間のカテコラミン投与を必要とした.気管内チューブの抜去までに2日間を要し,抜管後も経鼻式持続陽圧呼吸での管理を行った.術後はNYHA機能分類上II度からI度への改善を認めており,80歳近い高齢者でも手術適応と,適切な術中管理および術後合併症に注意することで積極的な手術治療が可能と考える.

キーワード
心房中隔欠損症, 高齢者


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