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日外会誌. 96(11): 766-772, 1995
原著
上皮小体自家移植術の実験的研究
I.内容要旨甲状腺癌手術における上皮小体機能温存法として,我々が行ってきた自家移植法で移植腺が確実に生着しているか否かを組織学的に検討し,さらに,機能回復の過程を詳細に調べるため,雑種成犬を用いた実験を行って検討した.3種類の移植法を比較したところ,未処理のwhole glandでは明らかに生着が悪かったが,細片処理と泥状処理の間には,移植機能の回復過程で内分泌学的に差を認めなかった.手術後28日間生存例の移植部を摘出したが,細片,泥状の処理法による組織学的な生着の差は認めなかった.即ち,上皮小体自家移植法として,両者の優劣はつけ難い結果であった.しかし,移植腺の生着率を向上させるには,処理法の選択だけではなく移植操作に要する時間の短縮も重要と考えられる.従って,我々が行ってきた泥状に処理する方法は,単純で短時間に行えるので臨床に即した方法と考える.
キーワード
甲状腺癌手術, 上皮小体自家移植術, intact PTH , Ca 補充
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