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日外会誌. 95(10): 790-793, 1994


症例報告

心腔内及び胸壁内伏針の 1 手術例
ー開心術による本邦報告例を含めてー

群馬大学 医学部第2外科

大谷 嘉己 , 石川 進 , 川田 清 , 大滝 章男 , 吉田 一郎 , 森下 靖雄

(1993年6月25日受付)

I.内容要旨
心腔内及び胸壁内伏針を,体外循環下に摘出した1例を経験した.症例は36歳の女性で,神経症で通院治療下にあった.自殺目的で5本の縫い針を左前胸部に刺入後,胸痛と発熱で近医を受診し,心腔内伏針の診断で手術目的で当院紹介となった.針は心腔内に2本,胸壁に3本あり,僧帽弁後尖には左室内伏針による疣贅があった.手術は胸壁内伏針を経皮的に摘出後,体外循環使用下に,左室および右室に迷入した伏針を摘出した.伏針の部位診断には術中超音波検査が有用であった.術後経過は順調で,術後第17病日に退院した.精神疾患合併症例では再発に充分注意する必要がある.

キーワード
心腔内伏針, 胸壁内伏針, 体外循環下摘出


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