[
書誌情報]
[
全文PDF] (2194KB)
[会員限定・要二段階認証][
検索結果へ戻る]
日外会誌. 95(9): 719-722, 1994
症例報告
上腰ヘルニアの 1 例および本邦報告例の検討
I.内容要旨自験例は64歳男性.主訴は右腰背部膨隆.2年前より同膨隆に気づき,徐々に増大傾向にあった.受診時,直径7~8cm大の表面平滑で弾性軟な膨隆を右腰背部に認め,その中心部には手指が1本挿入可能な抵抗減弱部を認めた.また腹圧を加えることによりその膨隆は増大した.CT検査にて右上腰ヘルニアであることを確認の上,手術を行なった.術中,上腰三角中心部の腱膜に直径約2cmの境界明瞭な円形欠損を認め,そこから後腹膜脂肪塊が突出していた.術式としてこの腱膜欠損部を単純縫合閉鎖した.
腰ヘルニアは非常に稀な疾患であり,その診断においては,超音波検査やCT検査が有用である.手術術式としては,ヘルニア門が小さく周囲組織が健常であれば,本症例の如くヘルニア門の直接縫合閉鎖のみで充分と考えられる.本邦における過去8例の上腰ヘルニア報告例と併せて検討し報告する.
キーワード
上腰ヘルニア, 上腰三角
このページのトップへ戻る
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。