[
書誌情報]
[
全文PDF] (1575KB)
[会員限定・要二段階認証][
検索結果へ戻る]
日外会誌. 95(7): 473-476, 1994
症例報告
S状結腸癌による重篤且つ広範な閉塞性壊死性腸炎の1例
I.内容要旨症例は68歳・男性. S状結腸癌の診断で手術待機中イレウスとなり,突然ショック,心停止を来した.蘇生後緊急手術を施行したところ,大量の混濁黒色腹水を認めS状結腸癌口側は13cmの肉眼的正常粘膜を介しそれより回盲部を越え150cmの回腸に至るまで壊死が連続した広範な閉塞性腸炎を認めた.腸間膜動静脈に血行障害は認めなかった.癌腫を含め壊死部全域を切除し回腸痩を造設した.食事摂取,歩行できるまで回復したが,術後23日目に原因不明の高カリウム血症で失った. このように急激且つ重篤な経過をとり回盲弁を越え回腸に至るような広範な病変を有した症例は非常に稀である. しかし大腸癌による腸管閉塞の際には時に本症例のような病態を来たす場合があるため注意が必要である.
キーワード
閉塞性腸炎, 大腸癌, ショック
このページのトップへ戻る
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。