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日外会誌. 95(4): 282-285, 1994
症例報告
体外循環に肝灌流を併用し根治術を行った Budd-Chiari 症候群の1例
I.内容要旨肝部下大静脈閉塞を伴うBudd-Chiari症候群に対して体外循環に肝灌流を併用し,直視下根治術を行い良好な結果を得た.症例は41歳男性で胸腹壁静脈怒張,下肢静脈瘤,腹水及び食道静脈瘤を認めた.術前の超音波検査及び静脈造影で肝部下大静脈に膜様閉塞,血栓を,左肝静脈流出路に閉塞を認めた.手術は,胸骨正中切開に肋骨弓下切開を用い肝を脱転,下大静脈を上下で遮断,直視下に肝部下大静脈を大きく縦切開し,同部と左肝静脈の閉塞を解除しリング付きEPTFE (Gore-Tex
🄬) patchで再建した. この時,門脈からの4℃の冷却肝濯流を併用しつつ,下大静脈,門脈系の部分体外循環を行った.術後静脈造影で修復部の開存は良好で,症状も改善し,元気に社会復帰している.
キーワード
Budd-Chiari 症候群, 直視下根治術, 冷却肝灌流
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