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日外会誌. 94(9): 1061-1063, 1993
症例報告
胸腺腫摘出後発症した多発性結腸癌の 1 例
I.内容要旨重症筋無力症合併胸腺腫にて,胸腺摘出術施行後4年目に,多発性結腸腫瘍が発生した稀な症例を経験した.患者は62歳女性で主訴は下血,下痢である.下血精査のため入院,注腸造影にて,回盲部より横行結腸にかけて,4カ所の腫瘍陰影を認め,結腸癌の診断下に,拡大右半結腸切除術を施行した.術後経過は良好で,第29病日に退院となった.病理学的には,胸腺腫は浸潤型胸腺腫で,結腸癌は病理学的には5カ所認められ,それぞれ異なった組織像を呈した.胸腺腫と,胸腺外悪性腫瘍の関連性について,当院報告例と外国文献とを検討して報告する.
キーワード
胸腺腫, 重症筋無力症, 多発性結腸癌
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