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日外会誌. 94(9): 1047-1050, 1993
原著
乳児期開心術に於ける心筋保護液の検討
-特にアルブミン添加液の効果について-
I.内容要旨今回我々は乳児開心術症例を対象に,晶質性心筋保護液にアルブミンを添加し,その有効性について検討した.対象及び方法はアルブミン添加の有無にて,I群(n=13)ーアルブミン無添加群,II群(n=14)ーアルブミン添加群の2群に分類し,大動脈遮断解除後5分,15分,30分の動脈血(A)及び冠状静脈血(CS)を採取し,各々の血液ガス分析,ヘモグロビン,乳酸,creatine kinase-MB (CK-MB),過酸化脂質の代謝産物としてmalondialdehydeを測定した.その結果CK-MB排泄率は再灌流後5分,15分,30分値の何れの検体に於いても両群間に差を認めなかったが,心筋酸素摂取率,乳酸利用率,malondialdehyde排泄率は再灌流後5分値で,各々I群27.3±7.8%,II群43.5±11.1%,I群一10.3±5.1%,II群3.9±2.8%,I群ー18.1±8.0%,II群12.3±6.4%と両群間に有意差(p<0.05)を認めた.以上より晶質性心筋保護液へのアルブミン添加が,虚血後再灌流早期の乳児心筋環境をより良好に保つ可能性を有する事が示唆された.
キーワード
晶質性心筋保護液, アルブミン添加, 乳児開心術, 再灌流早期
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