[書誌情報] [全文PDF] (543KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 94(1): 13-20, 1993


原著

熱傷早期におけるドパミン投与の心臓機能におよぼす効果

川崎医科大学 救急医学

仁科 雅良

(1991年8月13日受付)

I.内容要旨
熱傷早期において, ドパミン投与が心臓機能におよぼす効果について, 検討した.雑種成犬を, 熱傷群と熱傷+ドパミン群に分け, 熱傷前および熱傷後2• 4 • 6時間目に, 左室内圧(LVP), 心拍数(HR), 心拍出量(CO), 左室拡張末期圧(EDP), 拡張末期容積(EDV)ならびに駆出率(EF), peak dP/dtを測定した.また熱傷前および熱傷後2• 6時間目に, 収縮末期圧一容積関係と仕事一拡張末期容積関係を測定した.これは, 急速輸液負荷後に上・下大静脈を閉塞し, 左室内圧と容積の変化から求めた.
ドパミン群ではPSP, peak dP/dtは有意に増加し, COは増加する傾向を認めた.ESPVRおよびPRSWは両群で差がなく, EDVも両群に差を認めなかった.ESPVRやPRSWの傾きはドパミン群で増加する傾向が見られた.またESPVRが右方へ変位する傾向も見られた.
ドバミン投与により熱傷早期の循環動態は改善される傾向が見られたが, 後負荷不釣合がおこる可能性もあり, 慎重に行う必要があると考えられた.

キーワード
熱傷, ESPVR, PRSW, ドパミン

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。