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書誌情報]
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日外会誌. 93(7): 723-730, 1992
原著
肝細胞癌切除後の再発症例の検討
I.内容要旨1970年から1989年12月までの肝細胞癌切除例125例を対象とし,切除後の再発因子,再発様式,再発後の治療につき検討した.
125例中75例に再発を認めた.再発因子として腫瘍径が5cm以上, im(+), vp (+), DNA ploidy patternでaneuploid, clinical stage II期の症例はそれぞれ腫瘍径2~5cm, im(-), vp(-), diploid, clinical stage I期との間に無再発生存曲線で有意差を認め再発のhigh risk群と考えられた.
再発様式では肝内再発が多く,両葉多発再発41.8%,初回手術と同葉の再発22.8%,対側葉への再発10.1%,切除断端部再発6.3%であり,肝外再発は19.0%であった.
再発群と3年以上無再発群8例との比較では腫瘍径が再発群で4.8cm, 無再発群で2.6cmと有意に再発群で大きかった. fc(+)の頻度は再発群94.7%,無再発群62.5%と再発群でfc(+)の頻度が高かった.
再発例における再発後の治療法は再切除13例, TAE23例,姑息的治療39例であった.再発までの平均期間は再切除群, TAE群,姑息的治療群でそれぞれ31.1カ月, 27.2カ月, 17.6カ月と順次短縮傾向であったが3群間に有意差は認めなかった.一方再発後の平均生存期間は再切除群, TAE群,姑息的治療群で35.6カ月, 17.2カ月, 4.3カ月と3群問にそれぞれ有意差を認めた.また再発後の生存率では再切除群で1年84%, 3年60%, 5年48%と良好であった.
したがって肝癌切除後の管理は大切であり,特に再発のhigh risk群では厳重にfollow-upする必要がある.さらに再発が疑われた場合は早期に血管造影を行い再発様式を確認し,再切除, TAEによる積極的治療を施行することで遠隔成績の向上につながると考えられる.
キーワード
肝細胞癌, 肝切除, 再発肝癌, 再発因子, 再切除
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