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日外会誌. 93(4): 393-399, 1992


原著

消化性潰瘍術後再発例の検討-全国57施設アンケート結果-

東海大学 医学部第2外科

生越 喬二 , 三富 利夫

(1991年2月21日受付)

I.内容要旨
第18回胃外科研究会で,全国57施設を対象に消化性潰瘍術後再発例のアンケート調査を行った.術前にテトラガストリン法による胃液検査が施行され,内視鏡または上部消化管X線造影で再発の有無が確認されている症例のうち,術後5年以上経過観察された15歳以上の消化性潰瘍症例632例について再発因子に関し検討を行った.その結果,十二指腸潰瘍は胃潰瘍に比し有意に再発率が高率であった.しかし,十二指腸潰瘍に対する選択的迷走神経切離術兼幽門洞切除術では再発がみられず,広範囲胃切除術,選択的近位迷走神経切離術との間にそれぞれ有意の差がみられた. Coxの比例ハザードモデルを用いて分析すると,十二指腸潰瘍の再発因子としては,潰瘍ステージ,術式,潰瘍部位,年齢が重要な因子と考えられた.特に選択的近位迷走神経切離術例では潰瘍部位,年齢が重要な因子と考えられたが,広範囲胃切除術での再発因子は同定できなかった.

キーワード
術後再発潰瘍, 広範囲胃切除術, 選択的迷走神経切離術兼幽門洞切除術, 選択的近位迷走神経切離術, Coxの比例ハザードモデル

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