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日外会誌. 90(8): 1226-1229, 1989
原著
瘻孔に対する内視鏡検査
I.内容要旨消化器手術後の瘻孔症例11例に対して瘻孔内視鏡検査(瘻孔鏡検査)を施行し,その臨床的意義について検討した.検査は胆道鏡を用い,瘻孔が完全に形成される術後約3週間以上を経てから施行した.
瘻孔鏡下に瘻孔内を洗浄することにより,瘻孔内の観察がよくできた.膿瘍腔を認めない4例では,3例でドレーンを抜去し,膵管瘻の1例ではフィブリン糊による一期的な瘻孔閉鎖を行った.一方,膿瘍腔を認めた7例では,感染源である絹糸などの異物を除去した.さらに,効果的な場所ヘドレーンを誘導し,連日瘻孔内を洗浄した.その結果,癌死した1例を除き,瘻孔鏡検査施行後2ヵ月以内に全例で瘻孔は閉鎖した.また瘻孔内の壊死物質や瘻孔壁を生検することにより,組織学的検討が可能であった.
瘻孔鏡検査は,瘻孔が確実に形成された状態で施行する限り,非常に安全で容易な検査法である.また患者に与える侵襲も少なく,瘻孔症例に対する有効な検査・治療法と考える.
キーワード
瘻孔, 瘻孔鏡, 内視鏡検査, 内視鏡的治療
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