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日外会誌. 90(7): 1117-1121, 1989


症例報告

OK-432併用 MTX/5-FU 時間差投与法で軽快した DIC 併発再発胃癌の1例

東京大学 医学部第2外科

小池 英夫 , 小西 敏郎 , 真船 健一 , 平田 泰 , 平石 守 , 三山 健司 , 出月 康夫

(1988年8月26日受付)

I.内容要旨
近年固形腫瘍の治療においてもMTXにより5-FUの効果増強を図るMTX/5-FU時間差投与法が施行されるようになった.我々は,進行したスキルス胃癌に対する胃全摘術後早期にDICの所見を呈し,CT検査にて大動脈周囲リンパ節の腫大を認め,血清CEAが著明に高値を示した再発胃癌の症例を経験した.本症例はOK-432を併用した中等量MTX/5-FU時間差投与法を施行することによってDICは改善され,血清CEA値の正常化,CT検査上大動脈周囲リンパ節の縮小が認められ,退院可能となった.本症例の経験からOK-432を併用したMTX/5-FU時間差投与法はスキルス胃癌に対し有効である可能性が示唆された.

キーワード
MTX/5-FU 時間差投与法, DIC, スキルス胃癌

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