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日外会誌. 87(12): 1583-1587, 1986


症例報告

動静脈静脈瘻を併発し,心不全を主に多彩な臨床像を呈した腹部大動脈から両側内腸骨動脈にわたる動脈瘤の1手術治験例

聖隷浜松病院 心臓血管外科

中野 清治 , 大澤 幹夫 , 秋山 一也 , 近藤 順義

(昭和61年3月17日受付)

I.内容要旨
腹部大動脈及び両側総腸骨動脈の動脈瘤の自然破裂により左総腸骨動静脈瘻を形成し,手術により治癒し得た1例を経験した.症例は63歳男性,左下肢のチアノーゼ及び腫脹を主訴として入院した.その後,肺梗塞進行性心不全,腎不全,肝機能障害,不安定狭心症と多彩な臨床症状を示した.このことと稀な病態であつたために早期の診断に難渋した.

キーワード
腹部大動脈瘤破裂, 動静脈瘻, 心不全

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