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日外会誌. 87(7): 803-807, 1986


原著

腹部悪性腫瘍を合併した腹部大動脈瘤の外科治療

山口大学 医学部第1外科

中野 秀麿 , 江里 健輔 , 大原 正己 , 毛利 平

(昭和60年8月16日受付)

I.内容要旨
腹部消化管の悪性腫瘍を合併した腹部大動脈瘤症例3例を経験し,中2例では腫瘍摘出と動脈瘤切除を同時に行い,1例では腫瘍切除を先行させた.
一期手術対象は盲腸癌を伴つたもので,大動脈瘤切除,結腸右半切除が行われた70歳,男性であり,術後57日目に癌性腹膜炎で死亡した.他の1例は大動脈瘤切除の際に偶然発見された胃癌合併の77歳,男性で瘤切除,胃切除が行われた.術後3年の現在健在である.
二期手術症例は胃癌の診断で来院し,大動脈瘤を発見された72歳,男性であつた.胃切除を先行させ,6カ月後に瘤切除を施行した.3年4カ月の現在,健在である.

キーワード
腹部大動脈瘤, 腹部悪性腫瘍合併切除

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