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日外会誌. 87(5): 531-535, 1986
原著
巨大直腸(Megarectum)を伴う小児期機能的便秘症の外科治療
I.内容要旨注腸造影上巨大直腸(megarectum)をきたす小児期機能的便秘症の病因にはいまだ不明な点が多く,したがつて治療法も確立していないのが現状である.われわれは,このような疾患に対する術式 Sphinctero-myectomy and-plastyを考案して行つているので,その術式および成績などについて報告する.
本術式は,6時の位置で内肛門括約筋の口側約2/3と直腸下端を合わせ約5cmにわたつて粘膜を含めた全層を幅約1cmで切除し直腸下部の全層を下降せしめ,内肛門括約筋とこれを置換するものである.
本術式を行つたものは,Hirschsprung氏病に入るべき1例,組織学的にHirschsprung氏病が否定された9例である.
術後排便状態としては,術後1~3年の現在,治癒と考えられるものは7例(Hirschsprung氏病1例を含む)で,他は改善したがなお時々坐薬を必要としている.
巨大直腸をきたす小児期機能的便秘症は,治療法からみると一つの疾患単位とみることができ,それに対する手術術式として本術式は有効な方法と考えられた.
手術による効果発現の機序については,Hirschsprung氏病に入るべきものではDuhamel氏法に準ずるものと考えられ,その他のものに対しては内肛門括約筋の正常化を計るものと考えられるが,いまだ不明な点が少なくない.
キーワード
巨大直腸, 慢性便秘, 内括約筋切開(除)
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