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日外会誌. 87(3): 336-340, 1986


原著

加齢に伴う肝外胆管の変化に関する計量組織学的研究

1) 東北大学 医学部第1外科
2) 東北大学抗酸菌病研究所 病理学部門

高橋 良延 , 高橋 渉 , 鈴木 範美 , 佐藤 寿雄1) , 高橋 徹2)

(昭和60年5月16日受付)

I.内容要旨
剖検例から肝・胆・膵に病変がなく腹部手術の既往のない43例をできるだけ全年齢層から一様に選び,総肝管の内径を計量組織学的に解析した.内径は年齢とともに増大し,両者の間には有意の相関が認められた.回帰直線への距離の分布から5%棄却上限を定めると,20歳で4.8mm,50歳で6.1mm,80歳で7.5mmのレベルにあり,これを越えた値は異常値と判断すべきであること,また臨床検査で胆道拡張の有無を調べる際にはこれを基準として年齢を加味すべきであることが明らかになつた.加齢に伴う胆管拡張は胆管壁における弾性線維の増加と相関しており,長期の張力負荷に伴う弾性疲労現象の表れと考えられた。

キーワード
肝外胆管の形態計測, 加齢に伴う胆管拡張, 胆管壁の弾性線維

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