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日外会誌. 86(10): 1417-1425, 1985
原著
胃癌症例における術前NK活性測定の意義と術後NK活性低下に対する非特異的免疫賦活剤術前・後投与の効果について
I.内容要旨胃癌術前症例におけるNK活性の免疫パラメーターとしての意義と,胃癌手術の侵襲度合をNK活性の術後変動により評価し,免疫賦活剤術前・後投与の効果の有無について検討した.NK活性の測定は,患者末梢血中の全単核球をeffector細胞,K562をtarget細胞とし,マイクロプレート法による
51Cr放出試験にて行つた.
結果;胃癌患者のNK活性は,健康対照者に比べて有意の低下を示し,進行程度別でもstage I,IVで有意な低下が認められた.肝や腹膜転移陽性例では,同転移陰性例に比べてNK活性の有意な低下が観察された.手術根治度との関係では,非切除例や非治癒切除例のNK活性は,治癒切除例に比べて有意な低下を示した.また,胃癌組織分類との関係では,stage IV症例において,porはtub
1に比べて有意な低値を示した.NK活性とFcR(+)T細胞比率との間には,stage I+II症例に限つて正相関関係が認められた.また,NK活性と血清α
2-グロブリン分画比との間には,負相関関係がみられ,stage III+IV症例ほどこの関係が高度であった.
stage III+IV症例でOK-432術後投与群は,術後1~4週にわたつてNK活性の有意な低下ないしその傾向を示したが,術前後投与群ではNK活性の術後低下はみられなかった.この所見は,血清アルブミン値3.5g/dl未満や長時間手術例で著明であつた.
キーワード
胃癌, NK活性, 非特異的免疫賦活剤
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