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日外会誌. 86(7): 863-867, 1985


原著

Ogilvie’s syndrome (Pseudo-obstruction of the colon)の1治験例とその検討

名古屋大学 医学部第2外科
*) 石川病院 

酒向 猛 , 横山 逸男 , 舟橋 啓臣 , 寺部 啓介 , 亀井 秀雄 , 市橋 秀仁 , 石川 通夫*)

(昭和59年7月19日受付)

I.内容要旨
Ogilvie’s syndromeとは機械的狭窄のない機能的結腸閉塞をいい,種々の基礎疾患に続発して起こることが多い.この疾患の原因は腸管運動を支配する自律神経の乱れによる,結腸の痙攣性変化であろうと考えられている.本疾患は欧米ではしばしば報告されているが,本邦においては痙攣性イレウスという概念の中に包括されており,その診断や治療については深くは研究されていない.今回われわれは脳梗塞症患者に合併したOgilvie’s syndromeの1例に対しS状結腸瘻を作成して治癒させた.この経験よりOgilvie’s syndromeに対しては的確な診断と保存的治療がまず大切であり,症例によっては,時期を失することなく手術を施行することが重要であると考える.

キーワード
Oilvie’s syndrome, pseudo-obstruction of the colon, 痙攣性イレウス

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