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日外会誌. 86(2): 209-215, 1985
原著
新しい膵ランゲルハンス氏島分離方法の開発
I.内容要旨ラ氏島回収率の向上を目的とした新しいラ氏島回収方法を考案し,イヌ膵を用いて,ラ氏島回収率,purityおよび膵全摘後ラ島自家移植成績の検討を行つた.collagenaseを膵管内に逆行性に灌流することにより,選択的に腺房細胞の消化を行おうとするものである.膵管内灌流によりintralobularspaceに間隙を作ることができ,ラ氏島が外分泌組織より分離されていく様子が観察された.組織インスリン量からみたラ氏島回収率は57%と高く,これに対し外分泌組織の混入は少なく,組織インスリン・アミラーゼ比からみたラ氏島のpurityは分離前膵組織の6倍に上昇した.こうして得られた細胞浮遊液を膵全摘後に自家移植を行い,門脈内移植した5頭中3頭,脾内移植した3頭全例で術後正常血糖が得られた.
また膵管灌流法により得られた細胞浮遊液をtrypsin処理すると,細胞容積はさらに減少し,purityも上昇した.脾内自家移植により5頭中4頭で正常血糖を示したが,糖負荷時に脾臓より分泌されるインスリン量は370mUと正常膵よりの分泌インスリン量の約50%であつた.
キーワード
Langerhans 島分離法, Langerhans 島回収率, 膵 Langerhans 島自家移植, コラゲナーゼ膵管灌流法
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