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日外会誌. 86(1): 84-97, 1985
原著
慢性閉塞性動脈疾患における血清脂質
-特にリポ蛋白について-
I.内容要旨閉塞性動脈硬化症(ASO)102例,およびBuerger病(TAO)41例の血清脂質,とくにリボ蛋白について検索し,健康人133例を対照として比較検討した.
ASOではTriglyceride,β-lipoprotein,FFA,LDLおよびVLDLはいずれも対照より高く,LCATは低値であつたがTotal cholesterol,過酸化脂質は対照と差がなかつた.HDL-cholesterol(HDL-c)はASOで39.0±13.0mg/dlと対照54.7±17.2mg/dlにくらべ有意の低値を示した.ASOではHDL-phospholipid,Apolipoprotein-Aも有意の低値を示し,HDLの量的減少を示すとともにHDL-c/HDL-phospholipid,HDL-c/Apolipoprotein-A比の減少も認め,質的変化も示した.これらの所見は冠動脈硬化症とほぼ同じであり,リポ蛋白代謝面では末梢動脈硬化症も冠動脈硬化症と同一の基盤にあると結論しえた.
またASOでは若年者ほど脂質の変動が大きく,高位閉塞例では低位閉塞例にくらべTotal cholesterol,LDLの増加を認めた.
TAOではTriglyceride,FFA,VLDLの高値およびHDL-c,Apolipoprotein-A,LCATの低下を認めたが対照との差はASOよりも少なかつた.
キーワード
閉塞性動脈硬化症, Buerger 病, 血清脂質, リポ蛋白, HDL-コレステロール
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