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日外会誌. 85(11): 1426-1432, 1984
原著
ヒト肺癌(扁平上皮癌および腺癌)に対するモノクロナール抗体の作製
I.内容要旨ヒト肺癌に対するモノクロナール抗体を分泌するHybridomasを,免疫マウス脾細胞とマウスMyeloma line 653とを細胞融合することにより作製した.方法:手術時採取した2例のヒト肺癌(扁平上皮癌,腺癌)をBALB/cマウスに免疫し,免疫細胞付着法を用いて自己癌細胞と反応し,かつ自己B細胞とは反応しない5種類(扁平上皮癌より2C6,5D7,5E8,腺癌より5C7,2B7)のHybridomasを樹立し,cloningを行った.結果:この各抗体は同じ病理組織型の他のヒト肺癌および肺癌樹立培養細胞と反応した.また若干の反応が大細胞癌にも見られたが,肺小細胞癌,気管支肺胞癌,胃・食道癌,黒色腫,白血病,ヒト肺正常組織,ヒト線維芽細胞およびヒト赤血球A,B,Oとは反応しなかつた.5個の抗体中5C7と5E8の2つは手術時採取した1例の乳癌と,さらに5C7は1例の黒色腫と交叉反応を示した.
なおOuchterlonyとRadioimmunoassayでこの抗体のL鎖およびH鎖を決定した.
キーワード
モノクロナール抗体, 融合細胞, ヒト肺癌
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