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日外会誌. 85(4): 370-377, 1984
原著
rat摘出小腸灌流によるendotoxinの臓器毒性の検討
I.内容要旨endotoxinの組織に対する直接毒性を検討する目的でrat小腸の摘出灌流を行い,灌流液にendotoxinを混入したendotoxin投与群(E群)と単に灌流のみを行ったcontrol群(C群)において灌流開始後60分以内の代謝面での変化を比較検討した.
糖の能動輪送はE群において著明に阻害がみられ腸粘膜細胞刷子縁膜を中心とした輪送機構に破綻をきたすと考えられた.また灌流により水は腸管内腔へ移動するがE群では時間経過とともに水の移動が著明に減少した.
血管灌流液中でpHはE群において有意に低下し,また乳酸産生値も有意に高値を示し,この両者間には有意の逆相関関係が認められた.
血管および腸管灌液中のO
2消費は時間経過による変動がみられず,両群間にも有意差はみられなかったが,一方CO
2蓄積は血管灌流液中でE群において有意に増加をみた.
これらの事実からendotoxinは小腸組織に対して直接毒性を持つことが示唆された.
キーワード
摘出小腸灌流, endotoxin, 糖の能動輪送, 乳酸, CO2蓄積
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