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日外会誌. 85(4): 300-306, 1984
原著
食道癌の気管または気管膜様部合併切除例における広背筋有茎筋弁補強術式の有用性
I.内容要旨食道癌の気管・気管支浸潤例に対する気管形成術や気管膜様部切除術に際し,気管吻合部や膜様部縫合部の縫合不全を防止する目的で,胸背動静脈を茎とする広背筋の有茎筋弁を作成し胸腔内に挿入し,縫合部を被覆補強する手術法を試みた.さらに,広範な気管周囲郭清術を行った症例に対しても,食道切除後の死腔を充填し気管を後方から支持し,膜様部の過剰な動きを抑え,さらに術後早期から気管の血流を改善する目的で本法を応用した.
気管合併切除例や膜様部合併切除例では,術後,縫合不全や吻合部離開などの合併症は見られず本法が有効であったと思われた.一方,気管周囲を広範に廓清した症例では,本法による効果は臨床的には明らかでなく,今後の検討を要すると思われた.
キーワード
食道癌の気管・気管支浸潤, 気管・気管支形成術, 広背筋有茎筋弁
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