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日外会誌. 84(12): 1213-1219, 1983
原著
エンドトキシン血症下における脂肪乳剤の代謝に関する実験的研究
I.内容要旨エンドトキシン血症における脂肪乳剤の代謝を知る目的でイヌを用い,腹膜炎群 (n=6)とエンドトキシン静注群(n=6)の2種類のエンドトキシン血症モデルを作成し, intravenous fat tolerance test(IVFTT)による検討を行つた.
腹膜炎群では,腸管壊死による腹膜炎を作成し,エンドトキシン静注群ではE. coli lipopolysaccharide 1.5 mg/kgを静注した.腹膜炎群では, Limulus testによつてエ ンドトキシン血症の存在が証明されたが,血糖, L/Pに変化なく組織での酸化還元能が正常に保たれており,また脂肪乳剤の血中消失率Kにも変化が見られなかったのに対し,エンドトキシン静注群では,低血糖, L/Pの上昇を認め組織での酸化還元能が障害されているとともにK値はエンドトキシン血症作成前の0.0133±0.0056から0.0069±0.0024へと著明に低下しており,エンドトキシン血症でもその病態が異ると,脂肪乳剤の代謝にも差異の生ずることが明らかとされた.
キーワード
静注脂肪消失試験, 工ンドトキシン血症
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