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書誌情報]
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日外会誌. 84(10): 1094-1100, 1983
原著
“腐蝕性食道狭窄と食道癌”
-自験例2例を含む本邦報告8例の検討を中心に-
I.内容要旨腐蝕性食道狭窄(以下,本症と略す)の晩期併発症としての食道癌はその発生率に関し推計学的に評価があるが,その報告はいまだ少なく今まで本邦にて8例,外国では約100例が報告されているにすぎない.著者らは1973年,本症合併食道扁平上皮癌の本邦初例を経験し報告したが, 2例目は組織学的に腺・扁平上皮癌であり,文献上初例と思われるので初例との対比上併せ報告した.また本邦報告例8例に検討を加へ,外国例との対比より本症合併食道癌の特性および治療上の問題点につき検討した.
本症合併食道癌の平均年齢は30–50歳台に多く,発癌までの潜在期間は平均30年である.
本症狭窄部の癌化は否定できないので食道手術時,腐蝕狭窄食道の切除は妥当性がある.
本症食道炎に随伴する異型上皮とその癌化の関連は推測される.
キーワード
腐蝕性食道狭窄合併食道癌, 前癌病変, 腺・扁平上皮癌
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