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日外会誌. 84(7): 643-647, 1983


原著

成人の先天性食道気管支瘻の1治験例

*) 東京大学 医学部第1外科
**) 東京大学 胸部外科

島津 久明*) , 小西 富夫*) , 昌子 正實*) , 宮沢 幸久*) , 井上 純雄*) , 森岡 恭彦*) , 吉竹 毅**) , 浅野 献一**)

(昭和57年10月27日受付)

I.内容要旨
47歳,女性の先天性食道気管支瘻の1治験例を報告した.小児の頃より呼吸器感染症を反復して起こし,18歳以降に少くとも数回肺炎の診断をうけていた.食道造影をはじめとする術前諸検査や術中所見により,気管分岐部下方の胸部中部食道と左B6気管支の間に瘻孔を形成していることが確認され,その病型はBraimbridge & KeithのII型に属するものであつた.瘻孔切除と左肺下葉切除を施行した.
成人の先天性食道気管支瘻は本邦文献上に自験例を含めて68例が報告され,欧米文献上にも約70例の報告があるとされている.これらの報告例の分析に基いて,成人の本疾患における先天性の判定,診断,瘻孔の病型,手術方針などについて考察を加えた.

キーワード
先天性食道気管支瘻

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