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日外会誌. 84(3): 203-210, 1983
原著
手術侵襲のNK活性に及ぼす影響
I.内容要旨NK細胞の活性に及ぼす麻酔および手術侵襲の影響を検討した. マウスに手術侵襲を加えると術後1日目から5日目にかけて脾細胞のNK活性の減弱がみられた. Lewis肺癌細胞に対するNK活性は抗Thy 1抗体と補体で処理すると正常マウスでは著しい減弱がみられたが,開腹手術を受けたマウスでは影響がみられず,手術侵襲によつてNK細胞の構成にも変化がみられた.
肺癌,胃癌を中心とする臨床例において末梢血リンパ球のNK活性を検討した.NK活性は早くも術中より抑制がみられ,術後1日目から3日目にかけて最も顕著となった.開腹術後の場合7日目から14日目にかけてNK活性は術前の水準に回復したが,開胸手術後の場合NK活性の抑制はより長期間続いた.
キーワード
NK活性, 手術侵襲, 癌
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