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日外会誌. 83(7): 702-706, 1982
原著
甲状腺・上皮小体にサルコイドーシス病変をみたバセドウ病の一例
I.内容要旨我々は典型的なバセドウ病で来院した50歳女性を手術し,組織学的にその甲状腺および上皮小体に肉芽腫性病変を認めた.その病変はde Quervain甲状腺炎,甲状腺結核さらにsarcoid tissue reactionとは明らかに異なり,サルコイドーシスと診断した.サルコイドーシスは肺,眼,皮膚さらに内分泌臓器に肉芽腫性病変を来すことは知られているが,機能亢進症の甲状腺や,さらに上皮小体にまでサルコイドーシス病変がみられることはきわめてまれである.本症例は甲状腺機能亢進症とサルコイドーシスの偶然の合併と考えられ,そしてサルコイドーシスが甲状腺および上皮小体に限局した非常にまれな症例と考えた.
キーワード
サルコイドーシス, バセドウ病, 上皮小体
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