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日外会誌. 83(1): 78-87, 1982
原著
近位側胃切除後の胃液分泌と血清 gastrin,secretin 動態
I.内容要旨近位側胃切除犬における幽門側残胃の大きさによる胃液分泌,血清gastrin,secretin動態を正常犬のそれと比較検討した.
胃壁細胞領域がほぼ完全に切除された2/3近位胃切除犬では,胃酸分泌は欠如し,対照とくらべて空腹時高gastrin血症,食餌負荷後の血清gastrin値の漸増傾向がみられた.胃壁細胞領域が若干残っている1/2近位胃切除犬では,少量の胃酸分泌があり,2/3近位胃切除犬と同様に空腹時に高gastrin血症を示したが,食餌負荷による血清gastrin値の変動は少なかった.そして食餌刺激後120分間のgastrinの放出量(IGR)については,2/3近位胃切除犬では対照と同じくらいの放出がみられたが,1/2近位胃切除犬では低値であった.
また空腹時血清secretin値は,2/3近位胃切除犬,1/2近位胃切除犬いづれにおいても対照とほとんど同値で,食餌負荷後でも変動はみられなかった.食餌負荷後120分間のsecretin放出量(ISR)は,2/3近位胃切除犬,1/2近位胃切除犬,対照ともほとんど認められなかった.
キーワード
近位側胃切除術, 胃酸分泌, gastrin, secretin
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