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日外会誌. 82(12): 1528-1535, 1981
原著
待期的大血管手術における術中自家輸血の臨床経験
I.内容要旨われわれは,大血管待期手術例9症例に,術中自家輸血を施行した.術中自家輸血量は, 40ml~10500ml(平均3300ml)で,術中総輸血量の18~79%(平均56%)を占めた. 2例を,自家輸血以外の原因で失なつた他は,術後経過に問題はなく,出血傾向,微少塞栓等の,本輸血法に伴なう合併症の出現を認めず,ほぼ満足できる結果をえた.しかし,自家輸血量が,2000~3000mlを越えると, 溶血及び血小板減少が著明となり,また吸引中の凝固機能が低下しているのと知見をえた.よつて, 大量の輸血が必要な時は,本輸血法のみでは限界があり,新鮮血および血小板輸血が必要になると思われる.ちなみに,われわれは,自家輸血量が多い時は新鮮血を投与し,術後出血の経験はなく,また,血小板数は約1週間で,凝固機能は数日で回復している.
キーワード
術中自家輸血, 大血管手術, 大動脈瘤
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