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日外会誌. 82(5): 505-510, 1981
原著
胆道出血を呈した右肝動脈瘤の1治験例
I.内容要旨胆嚢摘出術後に腹痛・黄疸・消化管出血を呈し,超音波検査により肝門部に拍動性腫瘤を認めた症例を経験した.上腸間膜動脈造影の結果上腸問膜動脈より分岐した右副肝動脈の動脈瘤と診断し, 右副肝動脈結紮術を行い経過は良好である.そこで本例の症例報告を行うとともに1960年以降の内外の肝動脈瘤の報告120例を集計し, 胆石胆嚢炎またはその手術に起因する肝動脈瘤の病態, および肝動脈瘤の診断と治療について検討し,(1)胆道系手術に起因する肝動脈瘤は肝外または肝門部の右肝動脈に存在し,術後2週間以上経過して胆管内へ破裂することが多く,炎症や癒着が強いため切除再建は困難である.(2)肝動脈瘤の診断には超音波検査が非常に有用である.(3)肝動脈瘤に対し肝動脈結紮術は比較的安全に行いうる効果的な手術である,との結論をえた.
キーワード
肝動脈瘤, 胆道出血, 肝動脈結紮
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