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日外会誌. 82(5): 498-504, 1981
原著
SLEによる食道狭窄の1手術治験例
I.内容要旨SLEは多彩な臨床症状を示す膠原病であることはよく知られているが,食道病変を伴うことはきわめてまれである.著者らはSLEの経過中に発症した高度な食道狭窄例の手術を経験したので, 術中術後経過と摘出標本の病理組織学的考察を中心に報告した. 症例は38歳,男性. SLE発症3年後に下部食道の全周性狭窄が発生し, 3年間の経過観察後食道切除ー空腸による食道再建術を施行した.切除材料の検索で,E-C junctionに近接した下部食道に4cmにわたる全周性の潰瘍病変が存在し,病理組織学的には粘膜上皮を欠如したいわゆる非特異性食道全層炎であった.一方潰瘍周辺の血管病変は多彩で,特に小細動脈の肉芽腫性閉塞やonion skin lesion様病変も散見され, 潰瘍形成との関連が興味深い.また手術終了直前,突然四肢に高度のRaynaud現象が出現して術後も持続し, 右大腿動脈に血栓性閉塞をきたして右大腿部切断を余儀なくされた.
キーワード
Systemic lupus erythematosus (SLE), 食道狭窄, Raynaud現象
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