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日外会誌. 126(6): 563, 2025

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手術のtips and pitfalls

Hybrid frozen elephant trunk法のtips and pitfalls

「Hybrid frozen elephant trunk法のtips and pitfalls」 によせて

済生会横浜市東部病院 心臓血管外科

飯田 泰功



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大動脈外科におけるFrozen Elephant Trunk(FET)法は,胸部大動脈疾患(解離,瘤)の複雑かつ広範囲な病態を治療するための革新的な術式として,1983年にBorstらが考案し,発表したElephant Trunk法を進化させたものです.これを1994年に加藤らがオープンステントグラフト法として発展させ,2014年に国内企業製のFETデバイスが販売開始となり,現在まで急速に広がってきました.近年,FETデバイスはさらに発展し,従来の4分枝人工血管とFETデバイスが別々になっていたもの(Separate)から,それらが一体化したHybrid FETデバイスが出ることで,末梢側吻合を省略できるようになりました.他にも,広範囲の胸部大動脈病変を一期的に治療できたり,真腔狭窄をきたした大動脈解離に対して術後Aortic remodelingを促進できるという利点がある一方で,下行大動脈を内側から被覆することで生ずる対麻痺発生の可能性があったり,ステントのspring back forceによる新たな大動脈解離の発症(distal stent graft-induced new entry:dSINE)の可能性もあります.
現在,本邦ではHybrid FETデバイスに関して,2種類の企業製デバイス(Thoraflex Hybrid:テルモ株式会社,J Graft FROZENIX 4 Branched:日本ライフライン株式会社)が使用可能となっていますが,両者はデバイスを構成する素材や構造のみならず,操作方法も異なります.
本特集では,この重要な術式における「成功の秘訣」と「落とし穴」に焦点を当て,2種類のHybrid FET手術の実践に必要な知識と技術を多角的に掘り下げたいと思います.特に,本邦においてFET手術をリードしている2名の著名な術者にご寄稿いただき,豊富な経験に基づく臨床的洞察と具体的なアプローチを共有していただきます.
この企画は,2種類のHybrid FETについて,本術式を施行する外科医にとって実践的な指針を提供し,さらなる技術の進歩と臨床成績の向上に貢献することを目的としています.本企画が会員の先生方にとって,Hybrid FETに関する有益な情報となれば幸いです.

 
利益相反:なし

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