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日外会誌. 126(4): 396, 2025

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手術のtips and pitfalls

Non-occlusive mesenteric ischemiaの手術戦略のtips and pitfalls

「Non-occlusive mesenteric ischemiaの手術戦略のtips and pitfalls」によせて

総合病院土浦協同病院 救急集中治療科/外傷・Acute Care Surgeryセンター

遠藤 彰



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非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia;NOMI)は血管の基質的な閉塞を伴わない腸間(膜)虚血で,全腸管虚血のうちの20%程度を占め,その死亡率は高く70%という報告もあります.併存症を有する高齢者や循環動態が不安定な重症患者で好発するため,鎮静や鎮痛などの影響で症状や身体所見に乏しい場合も少なくなく,画像所見でも診断が困難なことがあります.また非連続的な分節状病変を呈し,時間とともに腸管壊死が進行する場合もあり,外科医にとっては術前診断や手術中の切除範囲の同定,吻合の可否など様々な場面で難しい判断を迫られます.
近年NOMIの手術において,一部の先進的な施設では蛍光法を用いた術中の腸管虚血の評価や,もともとは重症外傷に対するダメージコントロール手術などで用いられてきたopen abdominal management(OAM)を用いた計画的多段階手術などのアプローチが実施され,その有効性が期待されています.また,腸管虚血の早期診断のためのバイオマーカーの研究も進んでいます.これらの新たな技術は患者の救命のみならず,腸管切除範囲を必要十分なものにすることで短腸症候群のリスクを低下させ,患者の術後のQOL向上にも寄与する可能性があります.
今回の企画ではこのNOMIの手術戦略を取り上げ,小島光暁先生には術前の腸管虚血の判断や術中の腸管虚血範囲の評価について,また八木雅幸先生にはOAMの具体的な方法とその周術期管理についてご執筆いただきました.本企画が会員の先生方に役立つ情報となれば幸いです.

 
利益相反:なし

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