日外会誌. 126(4): 382-389, 2025
手術のtips and pitfalls
減量・代謝改善手術のtips and pitfalls
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
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四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター 関 洋介 , 笠間 和典 |
キーワード
肥満症, 減量・代謝改善手術, スリーブ状胃切除術, メタボリックサージェリー
I.はじめに
肥満症に対する外科手術(減量・代謝改善手術,メタボリックサージェリー)の難しさは,例えば胃癌手術のような,剥離やリンパ節郭清といった“質的”困難さではなく,非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)により腫大した肝臓や過剰に蓄積した内臓脂肪,さらには厚い皮下脂肪によるトロッカーの可動制限といった“量的”困難さにある.本稿では減量・代謝改善手術のうち,本邦で最も多く行われている腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(Laparoscopic sleeve gastrectomy [LSG])のtips and pitfallsについて述べる.
II.手術適応
本邦においてLSGが保険診療として実施されるようになったのは2014年である.その後,数度の改定を経て,現在(2025年)の適応基準は以下の通りである.
BMI 35 kg/m2以上の場合
・6カ月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない
・糖尿病,高血圧症,脂質異常症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群または非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含めたNAFLDのうち一つ以上を合併
BMI 32~34.9 kg/m2の場合
・6カ月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない
・糖尿病でHbA1c 8.0%以上(NGSP値),高血圧症,脂質異常症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,NASHを含めたNAFLDのうち二つ以上を合併
体位
開脚仰臥位,軽度頭高位とする.術者は患者右側,第1助手は左側,カメラ助手は脚間に立つ.手術は5ポートで行う.
利益相反:
研究費:日本メドトロニック株式会社







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