日外会誌. 126(3): 282, 2025
会員のための企画
「甲状腺における人工知能を用いた画像診断支援の試みについて」によせて
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日本医科大学付属病院 内分泌外科 軸薗 智雄 |
医療分野への人工知能artificial intelligence (AI)の活用は目覚ましいものがあり,今後も拡大して行くことに疑いの余地はないと考える.甲状腺領域でも超音波画像診断にComputer-aided Diagnosis(CAD)システムが利用され,放射線科医師の診断を超える報告もあるほど進んでいる.日本超音波医学会は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け,2018年9月より肝腫瘍,乳腺腫瘍の超音波画像ビッグデータベースの構築が開始され,腫瘍の超音波AIによる検出・診断支援の開発に取り組み,2019年からは循環器領域が加わり,循環動態判定AIの開発が始まっている.
本企画では,最近の超音波診断の進歩において注目されているAIの進歩について,甲状腺専門病院として名高い伊藤病院の外科診療技術部部長である北川亘先生に「甲状腺における人工知能を用いた画像診断支援の試みについて」というタイトルでご執筆いただいた.北川亘先生は,2023年の第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会学術集会を主催され,最近の超音波診断の進歩において注目されている技術やトピックスとしてAIの進歩をテーマに挙げられており,この分野に明るい.今回,北川先生の専門領域である甲状腺を中心にご執筆いただいた.
今後,AI診断は放射線科医師と同等かそれ以上の診断能力を示す可能性がある.甲状腺超音波検査にAIの活用が実用化することで超音波診断能が向上すれば,甲状腺専門医のみならず実地医家の現場でAI診断が十分な精度で甲状腺腫瘍の診断をサポートできることが期待されている.将来的には,診断支援と検出支援が装備されたAIビルトインの超音波機器が開発されれば有用であると考える.
本企画が会員の皆様にとって,医療分野でのAI活用の1例としてご理解を深めていただくための一助となれば幸いである.
利益相反:なし
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