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日外会誌. 126(3): 232, 2025

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特集

進行胃癌治療の現状

1.特集によせて

公立藤岡総合病院 外科

斎藤 加奈



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ピロリ菌除菌,内視鏡治療の進歩などにより胃癌症例は減少し,早期胃癌は治癒を見込める疾患として定着しつつあります.一方,進行胃癌は生存期間の延長は難しく,様々な努力が長い間積み重ねられてきました.現在の標準治療である手術+術後補助化学療法は治療成績向上に寄与していますが,胃喪失による経口摂取の低下,体重減少,日常生活動作(ADL)の低下,併存疾患を有する高齢患者の増加など,治療継続が困難な症例も少なくありません.安定した治療を可能とするADL維持を目指した手術の工夫は治療成績全体に影響を与えると考えられます.薬物治療については,新たに『切除不能進行・再発胃癌バイオマーカー検査の手引き』がまとめられ,検査結果に基づいた薬剤選定を行い,効率的に使用することにより生存期間の延長が期待できるようになりました.また全治療期間にわたり,治療継続の可否を左右することもある栄養管理は,近年新たに治療成績との関連が報告されており,その重要性をあらためて認識する必要があります.患者の生活の質(quality of life;QOL)を維持さらには改善をめざし,様々な治療手段をどのように組み合わせて提供していくべきか,進行胃癌治療の現状について,第一線のエキスパートの先生方に解説していただきました.さらに,治療の中心である手術を担う外科医が主に担当してきた進行胃癌治療ですが,昨今の働き方改革,医療現場のタスクシフトの観点から,手術以外での外科医の立場は変化すべき点があり,今後のチーム医療のあり方についても解説していただきました.あわせて今後の進行胃癌診療について会員の皆様方の理解が深まれば幸いです.

 
利益相反:なし

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