日外会誌. 126(2): 201-205, 2025
手術のtips and pitfalls
乳癌センチネルリンパ節生検のtips and pitfalls
蛍光・色素併用法によるセンチネルリンパ節の同定法
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大分県立病院 乳腺外科 増野 浩二郎 |
キーワード
乳癌, センチネルリンパ節生検, ICG, 蛍光法, 色素法
I.はじめに
乳癌のセンチネルリンパ節(SN)の概念は,1993年にKragら1)がラジオアイソトープを用いたセンチネルリンパ節生検(SNB)を報告したことで臨床応用され,現在の標準治療となっている.SNBは,乳癌の外科的治療において,癌がリンパ節に転移しているかどうかを評価するための重要な手技であるが,同定方法にはラジオアイソトープ法(RI法)や色素法が世界的に多く使用されている.しかしRI法は被爆や価格の問題があり施設によっては導入困難なことが多い.インドシアニングリーン(ICG)を用いた蛍光法はわが国で開発された方法でリンパ管内に注入されたICGが体表からあてた近赤外線で可視化できるシステムを利用してRI法にかわるSN同定法として受け入れられている2).
蛍光法の長所としてはRI法と比較しSN同定率が高い,安価,注入タイミングが手術時でいいことなど長所が多い反面,蛍光可視のため,術中のライト操作やカメラ操作が煩雑になったり,リンパ管の損傷による試薬の漏出で同定不能になったりなどの欠点も多く,術者には一定の経験と技術が必要である.
本稿では当院で行っているICGとインジゴカルミンを用いた蛍光・色素併用法によるSN同定法のtips and pitfallsについて言及する.当院で使用している近赤外線イメージシステムは浜松ホトニクス社のPde-neoであり,ハンディタイプのカメラで術中に術者もしくは助手が持ちながら術者正面のディスプレイを見ながら行う.蛍光を確認する際には術者の合図で無影灯の点灯,消灯を外回りのナースが行う.腋窩に皮切を加えた後,皮下組織からの出血を十分に行った後,浅胸筋膜を切開する前に一度カメラで観察,蛍光を発している部位を確認,蛍光ガイド下に発色部位の上をペアン鉗子で挟み,慎重に周囲組織を剥離してインジゴカルミンで青染されたリンパ節を求める.先に青染されたリンパ管が同定された場合はそれをたどって青染されたリンパ節に至り,SNを同定する.同定されたSN周囲には複数個の蛍光を発するリンパ節が認められることが多く,これらもSNとして摘出する.摘出されたリンパ節は体外で近赤外線カメラを用いて観察し蛍光を発光していることを確認して術中病理検査に提出する.一連の操作について以下に図説する.
利益相反:なし








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