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日外会誌. 126(1): 81-85, 2025

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手術のtips and pitfalls

ロボット支援下大腸手術における助手の役割とコツ

ロボット支援下右側結腸癌手術における助手の役割とコツ

東北大学 消化器外科

大沼 忍



キーワード
結腸癌, ロボット支援下結腸手術, 助手の役割

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I.はじめに
2022年に結腸癌に対してロボット支援下結腸手術(正式名:腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合))が保険適応となって以降,ロボット支援下結腸手術は急速に普及している.結腸癌に対するロボット支援下手術は,腹腔鏡下手術に比べて,開腹移行率と合併症発生率が低い,在院期間が短いなど,短期成績で優れていることが示されており1),2024年に改定された大腸癌治療ガイドラインでは,ロボット支援下結腸手術は結腸癌手術の選択肢の一つとして行うことを弱く推奨している2)

II.方法
ロボット支援下結腸手術では術者がカメラを含む4本のロボット鉗子を操作し,助手は1人で1本の鉗子を使用し計2人で手術を行う.本項では,内側アプローチによる回盲部切除,再建はオーバーラッピング法による体腔内再建を想定して記述した.患者体位は仰臥位,ロボットはDa Vinci Xi®(Intuitive)を使用,助手ポートを含め5ポートを留置,ペイシャントカートは患者左頭側からロールイン,助手は患者左側に位置する(図1).

図01

III.助手の役割
結腸手術に限らず,ロボット支援下手術では,助手は患者サイドにあって,ロボットアームの干渉と患者へのアームの接触に注意を払いながら,術野展開をアシストし,ロボット鉗子の交換,カメラレンズの清拭,術野へのガーゼ挿入,吸引,止血などの操作を迅速に行う必要がある.われわれの行うロボット支援下右結腸手術では,さらに助手が積極的に術野展開をサポートし,また,腹腔鏡用デバイスを多用し手術を行っている.

IV.tips and pitfalls
剥離面に十分に緊張がかからない場合は,助手によるカウンタートラクションが助けになる(図2).カウンタートラクションにより剥離面に緊張がかかり手術を円滑に進めることができる.また,助手による腹腔鏡用デバイスの使用(血管クリップ,ベッセルシーラー,自動縫合器等,図3図4図5図6図7)も,ロボット鉗子の交換時間が省け,手術時間の短縮に貢献できると考えている.ロボット鉗子の干渉により助手の操作制限をきたすことがあるが,その場合は術者がロボット鉗子位置を適宜調整し助手のワーキングスペースを確保する必要がある.体腔内再建時は,1本のロボット鉗子を抜去し助手ポートとして利用,助手が2本の鉗子を操作することも有用である(図8).

図02図03図04図05図06図07図08

V.まとめ
安全で円滑なロボット支援下結腸手術の進行には,助手は手術全体を常に把握し術者と協調して手術を行う必要がある.

 
利益相反:なし

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文献
1) Cuk P , Kjær MD , Mogensen CB , et al.: Short-term outcomes in robot-assisted compared to laparoscopic colon cancer resections:a systematic review and meta-analysis. Surg Endosc, 36: 32-46, 2022.
2) 大腸癌研究会:大腸癌治療ガイドライン医師用2024年版.金原出版,東京,pp75-78,2024.

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