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日外会誌. 126(1): 72, 2025

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手術のtips and pitfalls

ロボット支援下大腸手術における助手の役割とコツ

「ロボット支援下大腸手術における助手の役割とコツ」によせて

順天堂大学医学部 下部消化管外科

杉本 起一



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大腸癌に対するロボット支援下手術は,2018年4月に直腸切除・切断術,2022年4月に結腸悪性腫瘍手術が保険収載され,急速に普及している.ロボット支援下手術の特徴として,解像度に優れた三次元画像,人間工学によって可能となった直感的操作性,手振れ防止機能や motion scaling による精緻な手技,多関節を有する自由度の高い手術器具などが挙げられる.このような多彩な機能により,ロボット支援下手術では開腹手術と比較して,出血量の減少,術後疼痛の軽減,早い経口摂取開始時期あるいは入院期間の短縮など,腹腔鏡下手術と同等程度の良好な成績が報告され,周術期の短期成績や腫瘍学的な安全性は担保されつつあると考えられている.一方で,術者や手術チームの習熟度にもよるが,腹腔鏡下手術に比べて長い手術時間を要するという報告が散見される.ロボット支援下手術では腹腔鏡下手術と比較して術者に関するラーニングカーブは短いと考えられてはいるが,ロボット支援下手術ではアーム同士の干渉など特有の問題も挙げられ,手術時間を短くするためには助手を含めた手術チーム全体の習熟も不可欠である.また,鉗子の入れ替えにかかる時間を減らす目的で,助手が助手用ポートから挿入した腹腔鏡用デバイスで,血管切離のためのクリップをかけるなど補助的な操作を行うfusion surgeryというコンセプトも導入され始めている.特に最近では開腹手術や腹腔鏡下手術の経験が少ない若手外科医でもロボット手術の助手を務める機会が増えてきていると考えられ,ロボット手術に特有の役割やコツを学ぶ必要性は高い.
今回の企画では,このロボット支援下大腸手術における助手の役割を取り上げ,大阪けいさつ病院の松田宙先生には直腸癌手術を,東北大学下部消化管外科の大沼忍先生には右側結腸癌手術について御執筆いただきました.本企画が会員の先生方のお役に立てば幸いです.

 
利益相反:なし

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