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日外会誌. 125(6): 548, 2024

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手術のtips and pitfalls

乳頭乳輪温存乳房全切除術-Nipple-sparing mastectomy-

「乳頭乳輪温存乳房全切除術-Nipple-sparing mastectomy-」によせて

聖路加国際病院 乳腺外科

喜多 久美子



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乳頭乳輪温存乳房全切除術 (Nipple-sparing mastectomy, NSM) は,乳頭乳輪や皮膚を温存しつつ乳腺を全切除する術式として,整容性に優れた乳房全切除術の選択肢として広まりつつあります.NSMは,乳房部分切除が適応できない広範な病変でありながら,乳頭乳輪からは病変が離れている場合や,予防的な目的で乳房全切除を選択する場合に適しています.この術式では,病期や乳頭腫瘍間距離の適応基準,皮弁の厚みや乳腺切除範囲の設定,手術手技のコツなど,Oncologic safetyと整容性の両立を図るために各施設が様々な工夫を凝らしています.
従来の乳房全切除術と比較して手術視野が狭く,かつ同時乳房再建を行うことが多いため,修練を要する術式といえます.そのため,皮膚切開位置一つをとっても術者や施設ごとに異なるアプローチがみられます.近年では,内視鏡手術やロボット手術を用いたNSMも注目されています.
今回の特集では,NSMの経験が豊富な二つの施設の先生方に,手術手技に関するtipsとpitfallsをご紹介いただきます.本誌読者の先生方にとって,日々の診療に役立つ情報となれば幸いです.

 
利益相反:なし

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