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日外会誌. 125(6): 488, 2024

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特集

小児心臓外科医の育成

1.特集によせて

北里大学 医学部心臓血管外科

宮地 鑑



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本邦においては,昨今,外科専門医修練医の減少が大きな問題となっており,特に心臓血管外科ではより深刻な状況となっています.その中で小児心臓外科医は“絶滅危惧種”と呼ばれるほど減少しており,今後大きな社会問題となることが予想されます.
本特集では,まず日本外科学会の先生方に私ども小児心臓外科の現状をご理解していただくために,静岡県立こども病院院長の坂本喜三郎先生(前日本小児循環器学会理事長)に詳しく解説していただきます.また,小児循環器医の立場からみた小児心臓外科医の育成と問題点について,日本小児循環器学会理事長の山岸敬幸先生に述べていただきます.2023年,日本小児循環器学会・日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会の3学会は次世代医療人を育成し,安全かつ継続的な医療を提供していくため「先天性心疾患の手術を行う施設の集約化(地域拠点化)に関する提言」を発表しました.芳村直樹先生にこの提言について詳しく解説していただきます.この提言のもと,日本小児循環器学会主導で「小児心臓血管外科医生涯育成プログラム」が作成・運用され始めました.このプログラムについて,中野俊秀先生に解説していただきます.一方,現実に小児心臓外科医を育成されているアカデミアの立場から,現状の報告を笠原真悟先生にお願いしました.ダイバーシティの観点から女性小児心臓外科医の活躍が期待されますが,「イクボス」宣言等、管理者側の意識改革の必要性について,平松祐司先生に解説していただきました.そして最後に,今の若手医師が何を求めているのか,それに対してわれわれ指導者がどのように対応すべきかについて,岡徳彦先生に述べていただきました.
以上,本特集では,実際に効率的に小児心臓外科医の育成を行って行くため,各分野・施設の立場からこの窮状からの脱却の道筋を示すことができればと考えております.

 
利益相反:なし

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